恋の特急列車

 幡中です。

 あの日、出会った人。あの日、出会えた人。出会いって、一瞬なんだね。一瞬だからさ。もう会えなくなることも、あるんだね。それが、出会いってやつかな。ああ。運命って、はかなく、うつくしんだね。。。

 

この出会いは10月の記録会の日。帰りの電車でのこと、、、。

 

記録会が終わり、疲労感と達成感がある。こんな日は電車で寝たいな、、、。駅に電車が到着した。乗り込む。席は空いていない。満席で座れなかった。しゃーない。俺は立つことにした。この電車が、恋の特急列車だとは知らずに、、。

 

何駅か過ぎ、席が一つ空いた。二人掛けの席だ。片方には1人座っている。おっちゃんだ。とはいえ隣に座れる。やった。やっと眠れる。俺は背負っていた荷物を抱えて座る。おっちゃんの隣に。この時はまだ、思いもしなかった。このおっちゃんが、恋を呼ぶ天使だったとは。。。

 

試合の日のカバンは重たい。抱えていては重くて寝られない。よし、カバンを棚の上に置こう。そう思い、席を立つ。自分のカバンを持ち上げ、電車の棚の上に置こうとした瞬間。。。

 

ひらひら。ひらひら。ゴミが落ちた。自分のカバンの中のゴミだ。カバンのチャックが開いていたのだ。いつもはゴミなんてない。何のゴミだ。こんな時に。

ハッ。そのゴミは、テープのゴミだ。記録会ではリストバンド式テープが入場に必要だった。その時のゴミ。小さくて軽いテープのゴミだ。

ひらひら~。ゴミが宙を舞う。その姿はまるで、雪が降るようにうつくしい。キラキラ光りながら、優しく踊っている。

ひらひら、ひらひら、ズボッッ。。ゴミはおっちゃんの首をめがけて直撃。おっちゃんの襟の中に突進した。やばい。やばい。取れない。取れない。あー。どないしよ。やってしまった。ちなみに、おっちゃんは眠っている。爆睡中だ。気がついていない。しかし取ろうにも取れそうにない。あーーー。

焦っていた。そんな時だった。出会ったのは。俺の後方に座っている女性がいる。この女性は一連のテープゴミ事件を見ていた。そして女性は、くすっと笑っている。さらには、俺に笑顔を向けた。その笑顔は優しく、焦っていた俺を包み込んでくれる。そんな笑顔だった。

ここで脳内の俺が登場する。

「おい、俺よ。これは何かしらの運命ちゃうんか。ゴミが落ちておっちゃんの襟の中に衝突する。この時点でキセキやな。ほんでな、それを見てる子がおってんで。そこの女性のことや。これはなんかの縁やで(笑)。」

やらかしちまったという気持ち。女性が笑顔を向けてくれた気持ち。色々な気持ちが混ざった。ただ気づいた時にはもう遅い。

俺は女性の方を見返し、彼女に会釈をしていた。体が勝手に動いてしまったのだ。。

おい俺!なにしてんねん。めっちゃ変なやつと思われるやろ。見知らぬ女性に会釈するなんて。どうかしてるやつやん。そう思っていた時だ。。。

なんと彼女も会釈をし返してくれたのだ。優しい。もうポケットからキュンです。

おい俺!何を言うとるねん俺。何がポケットからキュンです、やねん。カバンからゴミです、やろ。

 

俺はとりあえず座った。そして考えた。このテープゴミ事件は2人しか知らない。俺とそこの女性だ。まるでドラマのような展開だ。。

電車は恋を乗せる。そういう場所なのだ。。。みんな降りる駅は違う。次の駅で降りるかもしれない。何時の電車に乗るかもわからない。だからこそ、一瞬の運命が生じるんだ。

ロマンチストの俺が脳内に躍り出て、そんなこと思っていた。窓の外を眺めながら。

何分ロマンチストにふけっていたのだろう。気がつくと電車は垂水駅で停車していた。

 

え。

 

外には彼女がいる。テープ事件を見ていた彼女が。そして俺の方を見ている。めっちゃ見ている。しかも、俺にほほ笑みかけた。。。

え。

これって。まさか。

もしかして、もしかしてだけど。

彼女は俺のことを。あの一瞬で俺のことを、、ひとめぼ、、、。

 

「プシュー」ドアが閉まる。あたりは静まり返っている。電車はゆっくりと動き出す。

待って!止まって。止まってくれ電車!彼女は俺に。俺に惚れてい、、、。で、でんしゃーーー!NOーーー!!!!!

電車は駅から遠ざかっていった。彼女との距離も遠くなっていった。。。もう、彼女に会うことはできない。そうだ。これが電車なんだ。電車は恋を乗せる。でも一瞬なんだ。これが恋の特急列車か、、、。そんなことを考えながら、一日が終わりそうだ。。。。

 

 

 

 

 

 

「んんっ?」

隣のおっちゃんが起きた。半目で首元を触っている。。。

あ、ごめんなさい、忘れてました。(笑)

 


ひらひら。ゴミがまた舞う。そしてゴミは俺の元へ帰ってきた。ひとときの思い出を与えて、。。

 

【あとがき・解説】

盛ってますよ?盛ってますからね?四六時中こんなこと考えてませんからね。純粋潔白ですからね。

この話は、目の前を見失うな、という教訓があります。色々思いを馳せた結果、自分はおっちゃんの存在が見えなくなってしまいました。一つのことに集中して、周りが見えなくなることってあると思います。陸上、授業の課題等、先を見据えて取り組んでいくのが良いかもしれないですね。また先日、京阪神が終わりました。得点的に、短長は満点取れました。やはり短長は強いと思います。来年を見据えて、冬季も頑張りたいですね。

以上。

 

次は天才的な頭脳を持つ脳筋